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院長 根岸圭です。
この数年、5月になると紫外線が強くなり、その強さは真夏並みです!と聞くことが多くなりました。
強さと時間から算出する指数で見ると、5月はおよそ9月と同じくらい。さすがに7月8月までの強さではありません。
ですが、9月は夏の終わりなので紫外線対策を継続している方が多いことに対して、5月はまだ対策をしていない方が少なくないようです。
とはいえ、今は6月。少し出遅れた感がありますが、今回は紫外線と私のお気に入り日焼け止め製品を紹介します!
そもそも紫外線によるメラニン産生の増加は、本来、肌細胞を守るための自己防御反応なのですが、そうは言っても、光老化という紫外線による肌の老化が気になるところ。
紫外線による肌への悪い影響には:
・炎症 → 赤くなり、時にヒリヒリする
・乾燥 → ガサガサする(汗と湿度で意外と自覚されない)
・ターンオーバー(肌細胞の生まれ変わり)の遅延 → ゴワゴワする、くすむ
・メラニン産生促進 → いわゆる日焼け(サンタン)、シミ、肝斑などの発生や悪化する
・肌細胞の遺伝子損傷 → 新たなシミができる
・真皮コラーゲンの損傷 → シワができる、などがあります。
詳しく言うと、活性酸素、炎症性サイトカインをはじめ、多くのややこしい話になるので、ここでは割愛します。
それでは、どのような日焼け止め製品を使えばよいのでしょうか?
ひと昔前の日焼け止めは、SPF値が高いほど、肌に刺激が強い傾向がありましたが、最近の日焼け止めは驚くほど進化していて、SPFが最高値である50であっても日常的に使用できるタイプが多くなっています。
そんな時代、この時期はSPF(UV-Bから肌を守る度合い、最高値50),PA(UV-Aから肌を守る度合い、最高値++++)ともに最高値の製品を使用しましょう。
製品を選ぶ際のポイントとして、毎日塗っても嫌にならないものを見つけることをお勧めします。
嫌なことを毎日継続するのは難しいですから。
私は通年、日々のメイクに、資生堂、NAVISION(ナビジョン) DRシリーズ、BBプロテクトUV(自然な肌色)を使用しています。
しっかりした日焼け止めなのにファンデーション代わりに使えると大人気。これにもう一品、粉をはたけばベースメイクが完成。楽が一番!
開発時に少々関わらせてもらった経緯もありますが、このクリニック専売品、とにかく素晴らしい!!10年以上愛用しています。
そのため、うっかり日焼けはないのですが、夏になるとこれだけではなく、汗水、擦れに強い追加の一品も使用したくなります。
なぜならば、私は日陰を歩くより日向で明るさを感じたいタイプ。暑さに弱いが明るさは好き。
夏前は保湿剤ヒルドイドで有名な製薬会社マルホ、イニクスシリーズ、アドバンスバリアデイエッセンスを追加。トーンアップしてみる日もありますが、この時期はウォータープルーフ(水に強い)、スウェットプルーフ(汗に強い)、フリクションプルーフ(擦れに強い)の製品を希望。
惜しみなくたっぷり使える価格でいて、しっかり効果がある(発売元の説明を信じて)製品を使いたいので、一昨年、ドラッグストアで独自調査。
うろうろしながら、いくつものテスターを使う怪しい人と化して頑張りました!
そして見つけた製品。一昨年も昨年も満足できたので紹介します。
カネボウ、アリィー、クロノビューティー トーンアップUV 03
うっすら肌色でトーンアップもでき、身体に塗っても肌がツヤっとして良い感じ。
同じシリーズ 02 うっすらピンクと朝の気分で使い分けています。
資生堂と多くの共同研究を行ってきた私。カネボウ製品の使用はなぜか少しの後ろめたさがあるものの、最強日焼け止めと名高い資生堂アネッサのパサっとした使用感が個人的にやや苦手、資生堂さま、お許しを。
日焼け止めの話になると必ず出てくる「2時間おきに塗り足す問題」。
汗水、擦れで落ちてしまうから、塗り足すべし、ということですが、2時間おきなんて私にとっては現実的ではありません。
ですが、塗り足しをお勧めする理由は汗水だけではなく、日焼け止めたる主たる成分、紫外線吸収剤や散乱剤のスタミナと関係します。
紫外線を肌に届かせないように肌の上に膜を作って、紫外線を吸収・散乱させるこれらの成分、その維持効果(スタミナ)が製品によって違うのです。
2時間しか持たない製品もあれば、半日程度、効果が維持される製品もあります。
屋外で紫外線をたっぷり浴びてしまうとこれらの成分がへたってしまうので、例えば、晴天のゴルフとなると、半日に1回は塗り足してほしいと説明することになるのです。愛用品のNAVISIONや、持ちがよいと表記しているアリィー製品は頼もしい。
いずれにしろ、最低でも半日に一回は塗り足して欲しい、そんな夏。
「塗り足すってメイクの上から?」という質問も多く受けます。
メイクは最後に粉で仕上げている方が多いので、粉の上からクリームを塗るのは難しいと。
確かにその通りではありますが、何とか頑張るしかありません。ペタペタとのせるように付けると意外と何とかなるものです。
それなら、「スプレータイプは?」との疑問には、SPFの数値がどのように決まるかをお伝えしています。
SPFの数値を測定するためには、2mg/cm2を塗布して調べる規定があります。これが結構な量、厚塗り感満載。
スプレータイプだと何重にもかけ続けないとこの量にならないので、現実的にその数値ほどの効果が得られません。
そもそも、クリームタイプであっても、この規定量の半分程度しか使用できていないという論文があるほど。
スプレータイプ、パウダータイプの製品はあくまでも補助と考えています。
使わないよりはずっと良いのですが、出来ればしっかりとクリームタイプを足すことをお勧め。
シミができやすい頬上部だけ、ご自身のシミの部分だけでも、クリームタイプを塗り足してみるというのはいかがでしょうか?
これに関連して、「日焼け止め効果がある下地」にも注意が必要です。
薄くのばして使用するのが下地。薄くのばしたら日焼け止め効果が落ちてしまうので、この点を承知した上で使用しなければなりません。
一般には、日焼け止めとして作られた製品の方が、汗水や擦れに強く、肌にしっかり密着する傾向がありますので、下地ではなく「日焼け止め」の使用をお勧めしています。
話を戻して、塗り足しについて。
メイクの上からの塗り足しは難易度が高いく、簡単なスプレーは期待薄となると、どうしたら良いのか。
私はここで再びアリィー。アリィー クロノビューティ カラーオンUV ラスター 追いツヤUV を使用しています。
透明感が高まるツヤ効果で、塗り足してもなかなかの見た目を保てます。粉との相性もよく、メイクの上から使用することを前提に作られた製品というのがニーズを捉えていて素晴らしい。開発者にお会いしたいものです。
このシリーズにはチーク代わりにというような説明のピンクとオレンジの製品もありますが、かなり強烈な色の濃さなのでご注意ください(私は使用できず)。
さてさて、長くなりましたので、この辺りで日焼け止めに対する熱い気持ちを抑えて、終わりにしましょう。
厳しい夏の必需品、日焼け止めについて、愛用製品を紹介しました。
楽が一番、何とか無事に夏を乗り切ろう、そんなふうに考えている私、根岸。コスメ好きのキラキラ女医とは程遠く、長い大学勤務の診療と学術活動で半ば燃え尽きた第二の医者人生。日々をご機嫌に過ごすことが目標、そんな医者のお勧めとしてご理解ください。
昨年よりも長くて暑いという恐ろしい長期予報の今年の夏・・今から嘆いていても変わらないので、笑って乗り切れることを祈ります。
クリニックでは季節を問わない治療メニューが多くありますので、お待ちしています~~