1.治療の概要
炭酸ガスレーザーのスポット照射(以下、炭酸ガスレーザー)は主に小腫瘍の治療に用いるレーザーです。切除では傷跡を残してしまいますが、レーザーでは目立った傷跡を残すことなく、多くの小腫瘍を治療することができます。
- 小腫瘍とは、脂漏性角化症、脂腺増殖症、汗管腫、稗粒腫、ほくろなどのことです(症状別『イボ・ほくろ』参照)いずれも、メラニンとヘモグロビンに選択的に吸収される波長(波長帯)を用いて治療を行います。
- 他に、傷跡、ニキビ跡などの治療に用いることもあります。
炭酸ガスレーザー・フラクショナルレーザー
炭酸ガスレーザーのスポット照射(以下、炭酸ガスレーザー)は主に小腫瘍の治療に用いるレーザーです。切除では傷跡を残してしまいますが、レーザーでは目立った傷跡を残すことなく、多くの小腫瘍を治療することができます。
ウェルクリニックでは、スキャナを搭載した高性能の炭酸ガスレーザー(ルミナス社製AcuPulse)を採用しています。スキャナを使用することでスポット照射のサイズを指定でき、小腫瘍の底面をスキャナのない機器に比べて、よりきれいに正確に蒸散・凝固をすることができます。
スキャナなしの従来式レーザー(左)とスキャナ付きレーザー(右)による治療のイメージ
小腫瘍の種類によって異なります。
この治療はダウンタイムのある治療です。治療した部分は、その大きさで皮膚が蒸散・凝固されるため、治療直後は擦り剝けた傷のようになります。皮膚の深部まで存在する病変の場合、少しえぐれたような状態になります。
合併症として、高頻度に1~3か月程度の赤みを認めます。深い病変の治療では陥凹瘢痕を生じるリスクがありますが頻度は高くありません。
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洗顔やふき取りで治療を希望される部分の皮膚に何もついていない状態にします
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カウンセリングでご希望をうかがいます
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病変を詳しく診察・診断します(治療の可否、効果を予想してお話しします)
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治療前の肌状態を画像撮影解析装置や
拡大レンズを装着したカメラで記録します
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同意説明書で治療内容を確認します
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痛みを軽減させて炭酸ガスレーザーを照射します(塗布麻酔(20~30分間待ちます)、冷却、局所麻酔のいずれかを用います)。治療時間はひとつの病変につき、数秒~数分です
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照射した部分に軟膏処置かテープ保護を行います
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治療部分を冷風装置で冷却して鎮静化します
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治療部分を避ければ、すぐにメイクをすることができます
脂漏性角化症(隆起したシミ)
50代男性
炭酸ガスレーザー1回治療後
隆起性のほくろ(母斑細胞母斑)
40代女性
炭酸ガスレーザー2回治療後
線状瘢痕(傷跡)
50代女性
炭酸ガスレーザー3回治療後
フラクショナル照射のイメージ
ウェルクリニックでは、高性能のスキャナを搭載した炭酸ガスレーザー(ルミナス社製AcuPulse)を採用しています。スキャナを使用することで精密なフラクショナル照射が可能です。
照射設定によりますが、一般に4~5日程度は照射した部分が赤くなり、7日程度は細かい点状のかさぶたがついた状態になります(ひとつひとつの点はボールペンの先くらいの大きさです)。
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洗顔やふき取りで治療を希望される部分の皮膚に何もついていない状態にします
2
カウンセリングでご希望をうかがいます
3
肌の状態を詳しく診察・診断します(治療効果を予想してお話しします)
4
治療前の肌状態を画像撮影解析装置か拡大レンズを装着したカメラで記録します
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同意説明書で治療内容を確認します
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痛みを軽減させて炭酸ガスフラクショナルレーザーを照射します(塗布麻酔を塗って20~30分間待ちます)。治療時間は照射範囲によって、5~20分程度です(例:まぶたは約5分)
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照射部分に術後の腫れを予防する湿布をします
8
肌を冷風装置で冷却して鎮静化します
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治療部分を避ければ、すぐにメイクをすることができます
下眼瞼から頬のしわ
50代女性
フラクショナルレーザー(炭酸ガス)1回治療後
下眼瞼から頬のしわ
70代女性
炭酸ガスフラクショナルレーザー1回治療後(頬広範囲のエクセルフェイシャル(3回治療)と下眼瞼から頬のしわにフラクショナルレーザー治療(1回)を行った例)